民泊初心者がおぼえておくべき申請の種類と立地6選

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2023年は少しづつではありますが、観光産業にも回復の兆しが見えてきそうですね。

最近では、ターミナル駅でキャリーケースを引いている観光客の姿も見れるようになってきました。

そこで考えるのは、「インバウンドが回復していくのに備えて、民泊を準備したいけど、どうやって始めるのかを知りたい」という方向けに、私の体験談を交えて解説していきます。

というのも、民泊の申請について検索すると、大体2020年ぐらいのコロナ前後に書かれた記事が多く、継続して発信されていないので、最新情報をキャッチしづらい状態になっています。

なので、このブログを通して民泊用の物件取得、申請、運営のリアルな過程を発信していくことで、

民泊に興味がある方やこれから始めようと思っている方の参考になればと思います。

また、許可には保健所や消防法などが絡んできます。ややこしいルールや言葉が多いので、

中学生でも理解できるようなシンプルに書いていこうと思います。



筆者が在宮城なので、宮城県の条例に沿った内容になっており、自治体によっては多少違うと思いますが、大枠は同じです。

民泊をはじめるには、何が必要?


民泊という言葉は最近になって市民権を得てきたと思いますが、まだまだ身近でやっている方は少ないと思います。また旅館やホテルのようなパッと見て、宿だなと分かるようなものではないので、尚更身近に感じづらいと思います。

今回は、私が賃貸住まいなので、物件の取得、申請、運営開始の流れで進めていきます。同じような環境の方が多いと思っています。

必要なものは、何はともあれ宿泊者を泊める施設=家です。マンションでも一戸建てでもどちらでも大丈夫です。

どういう物件がおすすめ?



大事なのは、ご自分でどういう民泊をやりたいのかというコンセプトを確り決めて、家選びをすると迷うことが少なくなります。ただあまりにもここにこだわり過ぎると物件を逃します。。

夢と現実の真ん中を狙うイメージで行きましょう。

どういう場所を選べばよいか


残念ですが、どこでも好きなところで運営して良いというわけではありません。かくいう私もこの運営場所で頭を悩ませています。

まずは、「用途地域」というものを理解する必要があります。
普段の生活ではあまり聞かない言葉ですが、重要です。



なぜかというと、民泊をするには保健所、消防署などからこの場所で、この物件なら民泊を行ってOKという許可を取る必要があります。


では「用途地域」とは何なのかについて、民泊を運営するうえで必要な程度の解説をします。


それ以上の説明は、宅建を取得するレベルの話になるので、詳しく知りたい方はもっと調べてみても良いと思います。

用途地域


そもそも用途地域とは、都市計画の地域地区の一つで、土地の活用にルールを決めて、住みやすく、使いやすくするものです。

一番大きな区分けとしては、都市計画区域と都市計画区域外です。日本中の土地はこの二つに分けることができます。要は、「都市」と「都市以外」ってことです。

民泊運営を行う場所は、人が住んでいる地域で行うので、都市計画区域内であればOKとなる訳です。

市街化区域、市街化調整区域


ここからが重要なところです。

都市計画区域でも、「市街化区域」「市街化調整区域」の2つにに分けられ、民泊の営業が出来る地域は、「市街化区域」になります。

市街化区域は、住宅を建てる地域、商売をする地域、工場を建てる地域などを細かく分けて、全部で13種類あります。

それぞれの区分けは県や地区町村で作成した都市計画図なるものに記載されており、HPで確認できます。参考までに宮城県の都市計画図です。

都市計画図・用途地域図


市街化区域は、大きく分けると、住居系・商業系・工業系の3つに分けられます。

この中で、民泊の営業が出来る用途地域は、全部可能といえば可能だが、NGな用途地域も中にはあります。

どういうことかというと、365日営業が出来るが、営業許可をもらうハードルが高い簡易宿所で申請するか、比較的簡易に申請できるが180日の営業となる住宅宿泊新法で申請するかになります。



あなたが、365日ガッツリ営業したいというのであれば、簡易宿所での営業許可をもらう必要があります。以下の用途地域で物件を探しましょう。

住居系の用途地域の6つです。

  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域


物件を探す際は、用途地域で絞ることはできないので、良さそうな物件を見つけた際に、用途地域はどれかを確認して、上記に当てはまったらまずは一つクリアです。

申請の種類

用途地域の次は、保健所から営業許可をもらったり、届け出が必要になります。

民泊として営業するには2種類の方法があります。ここでは、仙台市の条例や規制に沿って記載します。

皆さんが運営したい地域の自治体の公式ウェブサイトや都市計画部門に問い合わせし、営業に関する要件や制限事項を確認しましょう。

例えば、最低限の部屋数や施設の設備基準などが指定されていることがあります。

  • 簡易宿所として営業
  • 住宅宿泊事業者の届け出

簡易宿所の許可を取る


ゲストを宿泊させて料金をもらう宿泊サービスの場合、基本は旅館業に分類されるため、営業したい地域の保健所へ申請して許可をもらう必要があります。

旅館業も以下の3種類に分けられ、民泊を運営する場合は、「簡易宿所」の営業許可を取得します。
ここではさらっと記載します。宮城県公式HPを参照しています。

  • 下宿
  • 簡易宿所
  • 旅館・ホテル

簡易宿所


ステップ1:事前相談
物件の図面などを持って、事前に保健所へ相談しましょう。
出向く場合は、予約していった方がスムーズに対応してもらえますので、おススメです。

以前予約せずに行ったら、対応してもらえはしましたが、職員の方が忙しそうにしていたので、申し訳ないことをしたなと反省しました。

初めての場合は、図面を持って出向いて詳しく話を聞いた方が、不明点を解消できるので良いですね。

ステップ2:申請書の提出
営業開始予定日の1ヶ月前までに提出が必要。提出時に必要な書類はこちらで確認できます。

ステップ3:書類審査
提出した書類の記載内容を、保健所の担当職員が審査してくれます。宮城県では申請に22,000円が必要。自治体によって変わります。

ステップ4:施設確認検査日の打ち合わせ
施設の確認検査日程の調整を行います。

ステップ5:施設の確認検査
保健所担当職員の方によって施設の構造設備について、現地で検査が実施されます。

ステップ6:営業許可書の交付
施設の確認検査で、構造設備等が基準に適合していることが確認された場合は、営業許可書が交付され、営業を開始することができます。(営業許可書は再発行不可のため、大切に保管しましょう。)

営業許可までのステップが多く道のりは長いですが、なんといっても最大のメリットが年間通して営業が出来る!

当たり前でしょと思った方もいると思いますが、もう一つの住宅宿泊新法だと1年間で営業できる日数が180日しかないんです。


申請の道のりが大変だけど、通年通して営業できる許認可が必要な「簡易宿所」か、

比較的簡易な届け出で営業開始できるが1年間で180日間の営業のみと縛りがある「住宅宿泊新法」で進めるかは、ご自身にあったものを申請すれば良いと思います。



個人的には、申請が大変だとしても365日営業が出来る簡易宿所がおススメですが、

ガッツリやるのではなく、自宅で週末だけゲストを受け入れたいよといった場合は、申請が容易な住宅宿泊新法で十分です。

大事なのは、ご自身で無理せず長く続けられるスタイルがベストだと思います。


では続いて、「住宅宿泊事業者」として民泊を開業するための必要な届け出は何かを見ていきます。


申請には、全国共通の「民泊制度ポータルサイト」を使います。サイトの記載の内容を抜粋しながら説明します。

住宅宿泊事業者



ステップ1:届け出前の確認

 ①持ち主の許可は取れているか
  届け出する人が、物件を借りて運営しようとしている場合、持ち主が民泊として貸し出しすること    
  をOKしているかどうか

 ②民泊を行って良い物件か確認
  マンションで行う場合は、マンションの管理規約で民泊が禁止されていないかどうか。規約で禁止
  されていない場合でも、管理組合で禁止の方針がないかの確認が必要。

 ③消防法令適合通知書を入手
  運営予定の地域の管轄の消防署から取得する書面

 ②は、そもそも物件選びの段階でこれはクリアしているはずですが、購入・賃貸する前に必ず確認し
 ておきましょう。


ステップ2:添付書類を用意する
不在型の場合は、住宅宿泊管理業者も選定すること。


ステップ3:民泊制度ポータルサイトを通して申請
官公庁が管理しているサイトに利用者登録をして、住宅宿泊事業届出書と添付書類を添付して申請。



ステップ4:標識掲示
届出が受理されたら、届け出番号などを記載した住宅宿泊事業者ですよーという所定のフォーマットを物件に掲示。

標識を掲示したら、晴れて営業開始です。


まとめ

ここまで民泊をするにあたり、簡易宿所 or 住宅宿泊事業者で営業する方法を書いてきました。

それぞれのメリットデメリットを以下の図にまとめました。




確り稼いでいきたいという場合には、365日営業が出来る「簡易宿所」がベストです。


ただ、営業したいエリアの用途地域が第一種低層住居専用地域だったなどそういった事情によって、選択すると良いですね。

今回は、「物件の選定」「申請の種類」について詳しく書いてきました。次回は、用途地域に縛られず、比較的スタートのハードルが低い「住宅宿泊事業」の申請を例にして「消防法令適合通知書」の取得方法と、「民泊制度ポータルサイト」を使って申請をする流れを書いていきます。

それではまた。


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